蒼龍社 | 書家稲田宗哉の公式サイト

蒼龍社について

蒼龍社は、墨人会創立会員故森田子龍の面授を受け、現在も会員一人ひとりの自覚の上で、書の制作におもむいています。
その活動は、会員による書作品の制作、発表。臨書を中心とする古典研究。
森田子龍の創作、臨書、論文等多岐にわたる業績の紹介、普及を柱としています。
現在、具体的には、京都・横浜で「蒼龍展」の開催、森田子龍臨書集の刊行を事業としています。

History

略歴

1984年	森田子龍の臨書指導の場として発足通信指導のために、手書きの「蒼龍通信」を発行（1～54号）
1996年	第1回蒼龍展（京都文化博物館）以後京都・横浜で隔年に開催
2003年	『森田子龍臨書選Ⅰ』刊行
2004年	『森田子龍臨書選Ⅱ』刊行
2005年	『森田子龍臨書選Ⅲ』刊行
2012年	『想起森田子龍ノート』刊行責任編集稻田宗哉
2019年	カタログレゾネ『森田子龍全作品集』刊行

森田子龍『臨書選』

森田子龍『臨書選』

想起・森田子龍ノート

想起・森田子龍ノート

History

略歴

1984年	森田子龍の臨書指導の場として発足通信指導のために、手書きの「蒼龍通信」を発行（1～54号）
1996年	第1回蒼龍展（京都文化博物館）以後京都・横浜で隔年に開催
2003年	『森田子龍臨書選Ⅰ』刊行
2004年	『森田子龍臨書選Ⅱ』刊行
2005年	『森田子龍臨書選Ⅲ』刊行
2012年	『想起森田子龍ノート』刊行責任編集稻田宗哉
2019年	カタログレゾネ『森田子龍全作品集』刊行

2019年カタログレゾネ『森田子龍全作品集』

2019年カタログレゾネ『森田子龍全作品集』

2019年カタログレゾネ『森田子龍全作品集』刊行

森田子龍臨書集刊行によせて

森田子龍は一九一二年兵庫県豊岡市に生まれ、若くして書に志し、上田桑鳩に師事。一九五一年雑誌「墨美」を創刊。一九五二年塁人会を創立。現代書の創出と書の美学の確立に大きな業績を残しました。

国際的にも高い評価を得た創作活動と、三○一号に及ぶ雑誌「墨美」を通じた書の美学の追究と墨跡をはじめとする書美の再評価は、広く知られています。しかし森田子龍のそれらの活動の根底には若き日からの深い臨書研究が根ざしていることは未だ十分知られていません。

森田子龍は現代書の革新には臨書学習のあり方を確立することが不可欠と考え、まとまった臨書論として「書―生き方のかたちー」を著しました。しかしその臨書の実作は、晩年約三年間にわたって刊行された雑誌「龍門」―森田子龍責任編集による臨書研究の広場―に数種類の古典について発表されているにすぎません。また、その臨書学習の指導は雑誌「龍門」発行中の一時期をのぞき、主に面授・直接指導に依ったためその実際を知る者はそれほど多くはありません。

しかし森田子龍の直接指導を受けた蒼龍社の会員の手元には大変多様な古典の非常に数多くの臨書が残されています。これらの臨書作品は森田子龍の創作、理論の両面に於いて根底を成す基本資料と言うだけでなく、広く将来の書のあり方を決定づける力をもはらんでいる至宝とも言える存在です。

森田子龍は墨美三○○号「一九八○年の青」後記においていみじくも『古法』の衰退を愛いています。ひるがえって現代の書の世界は、故人の嘆きをよそにますます古典研究、臨音学習の根拠を持たない根無し草の作品や観念的な古典論が氾濫しています。そんな現状だからこそこの臨書集が、現代のさらに未来の書のあり方を底から動かす力を持っていると確信しています。

明日の書を担うすべての人々の座石にこの臨書集を備えられることを願ってやみません。

蒼龍社一同

森田子龍『臨書選』

森田子龍『臨書選』

想起・森田子龍ノート

想起・森田子龍ノート

森田子龍臨書風景

森田子龍臨書風景

森田子龍臨書風景